仏像彫刻
Buddhist Sculpture
榎木宣道
榎本さんは、品川区内二箇所を含む公共施設、大学、寺院など15ほどの教室で約150名の生徒に仏像彫刻の作リ方とその楽しさを指導しています。その仏像は伝統的な技法を基本としつつ、現代的な要素も多少織リ込む自由さが見られます。
仏像の顔は左右対称にすると神聖さを増すので、充分に時間をかけます。区内では二葉町の相慈寺に阿弥陀如来坐像を納作しています。またNPO仏像彫刻美術院を設立し、生徒と一緒に彫った1000体以上の仏像を東日本大震災の被災者に寄贈するなどの活動も積極的に行っています。
和竿
Wazao(Japanese Fishing Rod
大石 稔
昭和24年現在地に初代開店。旧浜川町生まれの、二代目和竿職人 。 平成15年 「品川和竿」を、差別化の為に立ち上げる。
和竿製作・修理のほか自宅にて和竿作り教室も開講中(令和3年で32年目) 。最近はカ ーボン製の釣竿が主流ですが、大石さんが作っている和竿は竹製の竿です。九州や千葉から取り寄せた竹を、竿の元、中、先などに相応しい 「しなり」や「堅さ」を見極めるところから始まり、火で焼き(火入れ)、曲がりを直し、次に、つなぎの加工、漆塗りなどいくつもの工程を経て、約3ヶ月で完成させます。
骨董修理
Antique Restoration
かまた たみお
鎌田民夫
骨董修理は時代物の品物を修理して再生する仕事です。
鎌田さんは平成4年に父親に入門し平成15年に家業を受け継ぎました。
骨董修理の仕事は、長火鉢、箪笥、ちゃぶ台などの木製品や銅器や陶器などの壊れた骨董品を、再組み立てし たリ、不足の部品を作って補修したりし ます。現代のリサイクルの骨董版です。家具の組み立て、彫刻、彫金、漆塗りな ど何でも出来なければなリません。ある意味では万能選手である必要があります。
江戸切子
Edo Kiriko
かわべ かつひさ
川辺勝久
江戸切子は、江戸時代後期、お江戸日本橋で始まった切子(カット)細工 が始まりと言われ、江戸時代からよく使われた意匠が 一般に江戸切子と呼ばれています。矢来、菊、麻の葉模様など着物にも見られる身近な和の文様が繊細に施されているのが特徴です。川辺さんは、昭和36年に同じく職人であった父親に弟子入りし、長年の修行を重ね、江戸切子の伝統を守るとともに、それまでに例のなかったスプーンの柄に切子細工を施すなど、伝統 に新しい風を吹き込む挑戦も行 なっています。
和裁
Kimono Tailoring
けんもち ひろし
釼持 博
和裁とは、「和服裁縫」の略語であり、着物を製作する事です。かつて裁縫は全て手仕事で行っていました。 手で縫うことによリ、着る人の寸法に合わてより美しく仕上げることができ ます。
昭和39年銹持和裁所に入門。和裁教員免許取得。職業訓練指導員免許取得。東京都優秀技能者(都知事賞)受賞。ー級和裁技能士。厚生労働省「ものづくリマイスター」認定。厚生労働省「グッドスキルマーク」認定。針と糸と指ぬきを使える様に子供たちへ指導しております。小物(しじみのストラップ・巾着など)も製作します。
日本刺繍
Japanese Embroidery
ささはら このみ
笹原 木実
日本刺繍は帯や着物に装飾する技法で室町時代が始まりといわれています。10代の頃より秋山光男先生に師事、30代で独立。海外での作品発表で美術展に毎年入選。主な美術展は、パリ国際サロン、欧美国際公募美術展(推薦)、メキシコ美術賞展、ベルギーオランダ美術賞展など。
初心者から丁寧に教える日本刺繍教室も開催しています。日本の伝統美を身近に感じてもらえるような楽しい教室なので習いに来てください。
表具
Paperhanging
さの ふみお
佐野 文夫
佐野文夫さんは掛け軸を作る表具師として活躍しています。昭和42年から父の元で修行し、家業を継いで三代目となりました。
表具は、はじめに書画の作品の補強としわ取りのために、薄い和紙を裏に貼ります。これを「裏打ち」と言います。「裏打ち」の糊は微妙な濃さを求められ、職人の腕の見せ所です。この裏打ちの紙は後に修理のために、いつでも剥がせるような糊をつかいます。書画に合った布で上下左右を飾り表具に仕上げます。
陶芸
Pottery
しまむら ひかり
島村 ひかり
土で形を作り、釉薬を施し、高温で焼き上げる工芸が陶芸です。縄文時代の土器に始まり、大陸の影響を受けながら日本独自の進化をし絶えることなく続いているこの陶芸に魅せられ、島村ひかりさんは作家になりました。手捻り・タタラ ・輔轄などの成形技法と、絵付け 象嵌•練り込みなどの装飾技法を用い、日常の 器やインテリアなどを制作しています。胎土に絵や文様を彫って凹みを作り、そこに異なる色の土を埋め、表面をなだらかにする行程を経て完成させる象嵌技法を得意としています。
提灯文字
Lantern Calligraphy
しもだ ひろやす
下田 洋靖
下田さんは昭和57年に父親の一郎さんに入門し、平成13年に 一家業を引き継ぎ、三代目になります。
江戸の提灯は、本体製造業と文字書きの分業制が進み、下田さんは張上がった和紙の面に紋や文字を入れ、道具や金物飾りを組込む仕事をしています。
理美容鋏製造
Lantern Calligraphy
しんぽ きんじ
神保 鉄二
神保さんは、床屋さんや美容院で使う鋏を作っています。昭和34年の入門で、家業として二代目です。
品川は打ち鋏の地場産業でしたが、数軒のみが残っていて、神保さんもその内の一軒です。
理美容鋏は堅さが銅線並みとされる髪の毛を切るものなので、切れ味は他の鋏の数倍なければなりま せん。片方の刃だけで「うぶ毛」が剃れるほどの刃が付いています。鋏の中で最高の切れ味があって、理美容師が使っています。
江戸すだれ
Edo Sudare
すずき ゆうじ
鈴木 祐二
鈴木さんは、創業百年を超える江戸すだ れの四代目です。昭和47年の入門で、素材選別から商品製作まで、一貫して行い、糸を一本一本操リ、編み上げていく作業には、昔ながらの道具や技法が継承されています。
手作りだと素材の状態に対して編み加減を微妙に調整できるので、出来上がりによじれがなく、美しく長持ちします。また、最近では洋室のインテリアに使われることも多く、最先端の加工技術も取り入れ、お客様のニーズに合わせた寸法とデザインで作ることも可能です。
和裁
Kimono Tailoring
たかはし のりこ
高橋 紀子
高橋さんは、和服を縫って仕立てる和裁の仕事をしています。
平成7年入門で、平成15年に独立しました。職業訓練指導員免許取得・一級和裁技能士・ものづくりマイスター・東京都優秀技能者(都知事賞)・グッドスキルマーク保持者。和裁は留袖、振袖、訪問着、長襦袢、羽織、ゆかた等を、着る人の背丈に合わせて裁断し、手で縫う仕事です。高橋さんは着物の端を足の指に挟んで縫います。男性の師匠に習いましたので、女性でも「男縫い」を習得しています。
漆工芸
Urushi Craft
たなか かつしげ
田中 勝重
昭和49年東京芸術大学、大学院漆芸専攻を修了してから、主に日常生活で使える器の制作をしてきました。
器物のデザインから始め、使用用途にあった木地を選び、下地を付け、中塗り、上塗リ、そして必要に応じて、漆絵、蒔絵、螺細、金箔などの加飾を施して仕上げます。全国各地の工芸店やデパートでの、個展やグループ展で作品の発表と販売も行っています。また伊勢神宮の式年遷宮 式に納める器物の制作や、中尊寺金色堂の巻柱の復元模造の仕事にも携わリました。
東京手描友禅
Tokyo Hand-Painted Yuzen
なるさわ やすあき
成沢 康昭
手描友禅は、着物の絵柄を手で描く仕事です。成沢さんは昭和33年入門、先代の父親から手ほどきを受けました。
手描き友禅は、絵柄のデザインを描くことから始め、絵の外縁に糊を置き、地染め等の行程で仕事をします。 普通、友禅師は色差しのみをしますが、成沢さんは、糊(真糊)置きから、色差し、地染め、糊落としの友禅流しまで、全部の工程をします。友禅の外周に白い輪郭が出来、柔らかい雰囲気になります。
東京桐
箪笥
Tokyo Kiri Chest of Drawers
はやし まさつぐ
林 正次
桐箪笥の製造が林さんの仕事です。
昭和30年の入門で、家業として二代目です。昔から桐箪笥が着物のために最良とされています。桐は適度の通気性があって、着物が傷むことがありません。桐自体は虫が付かず、長年の使用に耐え、箪笥として大変優れています。古くなった 箪笥は削り直しで新品になります。桐箪笥の制作は、金釘を使いません。卯木(うつぎ)の木釘を使います。作業の手順のほとんどはカンナを使い、引き出しなどの寸法をぴったり合わせます。
東京桐
箪笥
Tokyo Kiri Chest of Drawers
はやし ひでのり
林 英知
林英知さんは林正次さんの後継者です。昭和63年入門です。 一桐箪笥の制作技術で一番肝心なことはカンナの扱いです。箪笥の引き出しをカンナですこしずつ削り、何度も本体に出し入れして、隙間なく、しかも潤滑に出し 入れ出来なければなりません。全ての引き出しを作って入れると他の引き出しが空気圧で出てくるくらいに、正確に作らなければなりません。
草木染手機織物
Kusaki-Zome Dyng&Weaving
ふじやま ちはる
藤山 千春
藤山さんは、絹糸 などを草木染めし、その糸で着物などの布を織る仕事をしています。
昭和37年入門です。
草木染めは、藍染め、天然の植物、日本茜・椿 ・ 楠・矢車玉・木の皮・木の根・木の実などを煮出し、糸を浸けて染め、媒染剤により発色させます。
織の種類としては・つむぎ織・かすりなど種々ありますが、名物裂の一種の「吉野間道織り」を復元して作 っています。
草木染手機織物
Kusaki-Zome Dyng&Weaving
ふじやま ゆうこ
藤山 優子
藤山優子さんは藤山千春さんの 後継者です。平成17年入門です。 日本古来から伝わる天然染料 、藍、日本茜、矢車玉、愧(えんじゅ)、臭木、紫根(しこん)楊梅(やまもも)などの木の皮根、実やコチニールといった動物染料を煮出し、絹糸を染めます。 経緯のずらしやぼかしの技法で、浮織リの名物裂である吉野間道にリズムや奥行を織リ出します。様々な色糸の中から、調和のとれた美しい配色を考え、着物、帯を制作する工程は難しく、大変根気のいる仕事です。
畳
Tatami
まつい まさじ
松井 雅治
昭和48年に畳職人である父に弟子入りし修行を重ねてきました。
畳は部屋によって寸法が異なるため、部屋 ごとに寸法を割り付けして、畳床を寸法に合わせて切断し、ござを張って縫上げ縁付けをします。これが縁付畳の新床です。張り替えは表替えと裏返しがあります。お寺で見る紋縁の畳や縁なし畳、板入畳などがあります。現在では化学表や化学床などが多くなり、新しい材料にも対応してます。
漆工芸
Urushi Craft
やすい しゅんじ
保井 俊次
デザインの専門学校で学んだ保井さんは手仕事に憧れて、日本の伝統工芸である漆の 工房「香里田」(かおりた)を主宰する田中勝重先生に弟子入リしました。現在 は夫婦でアクセサリ や、かんざしなどを木地から一つ一つ手作りしています。
また箸には奄美地方で採集される夜光貝の粉を蒔き締めて堅牢に仕上げています。
東京手描友禅
Tokyo Hand-Painted Yuzen
きのした じゅんこ
木下 順子
手描友禅は、着物の絵柄を手で描く仕事です。木下さんは平
成8年入門、多摩染芸(西品川)の成沢泰昭氏に師事しました。
現代の友禅染は、便利な材料や機械を使った手間の少ない作り方が主流ですが、木下さんは、江戸時代から続く伝統技術を守っている数少ない職人です。絵柄の考案、餅糊づくり、防 2 染、色づけ、蒸し、友禅流し、金彩加工など全部の工程を修行して、一点物を作っています。